超新星2004et
撮影日時:2004年9月30日 16時25.27分(UT) 機材:大阪教育大学 51cm望遠鏡 Astromed CCDカメラ フィルター: Iバンド 露出時間:30秒 | POSSI I .N.DSS.143 Filter:I-band Origin: Provided by CDS Aladin image server Copyright (c) 1994, Association of Universities for Research in Astronomy, Inc. All rights reserved |
(2005年5月10日)
超新星2004et の観測は2004年9月30日から始め、2005年1月12日(観測開始後104日)でひと区切りとなりしばらく休止しました。
天体が日没と共に沈むようになったためです。
約2ヶ月後の3月10日過ぎには、明け方の空に見えるようになり、観測を再開しました。
5月10日までの観測結果をまとめた図(光度曲線)を見ると、はじめほぼ横ばいの状態が続いていたR(赤)バンドとI(近赤外)バンドでは、爆発後約90日から減光が始まっています。
B(青)バンドでは100日間で約2等暗くなり、3月に観測再開した後には測定できないほど暗くなっていました。
観測を休止した2ヶ月の間に、V,R,Iバンドともに2等程度暗くなり、最近では3バンドとも一定の
割合で直線的に減光しつつあります。Rバンドの明るさが16等台になるまで観測を継続する予定です。
フィルターの波長透過率曲線 | |
VSOLJ ニュース (130)
NGC 6946に明るい超新星2004etが出現
はく
ちょう座の北端、ケフェウス座との境界に位置するNGC
6946は、5Mpcという近傍にある大きな渦巻銀河です。この銀河には、これまで7個の超新星の出現が記録されてきました(1917A, 1939C,
1948B, 1968D, 1969P,
1980K,2002hh)が、このほど8個目の超新星の発見が報じられました。この天体には、超新星2004etという名前が付けられました。
超新星2004etを発見したのはイタリアのStefano
Morettiさんです。27日に撮影したCCD画像で、12.8等の明るさでとらえられました。板垣公一さんが発見した超新星2004dj(VSOLJ
ニュース127)に次いで、本年2番目に明るい超新星です。超新星の位置は、 赤経 20時35分25.4秒赤緯 +60度07分17.6秒
(2000年分点) と報告されています。NGC 6946の中心から、およそ東に250秒角、南に120秒角ほどにあたります。
発見報を受けて、イタリアのAsiago天文台で28日に撮影されたスペクトルでは、広い水素の輝線が見られ、爆発後それほど経っていないII型の超新星
と判明しました。銀河系内およびNGC
6946内での星間吸収もかなりあり、吸収がない場合よりも1等くらい暗くなっているようです。発見等級は、II型超新星で期待される極大等級とほぼ合致
します。今後この超新星がどのように変化していくか、追跡が強く望まれます
(2004/12/21 掲載分)
2004 年9月27日(世界時)に発見が報じられた
NGC 6946銀河の超新星SN 2004et
の観測を3日後の9月30日から継続しています。観測はB,V,R,I4色のフィルターを使って行われ、12月21日までに計23夜のデータを得ることが
できました。超新星の明るさの測定は、近くにある星を基準として行っています。これまでに得られた光度曲線を見ると、B(青)バンドでは発見時に比べて
1.5等暗くなっていますが、I(近赤外)バンドではほぼ横ばいの状態が継続しています。この超新星は質量の大きな(太陽の15倍程度)の星が、進化の最
終段階
で大爆発を起こしたものと考えられています。